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黒澤明作品は男の映画

黒澤明

最近、飛び飛びだが久々に「七人の侍」用心棒」「椿三十郎」を鑑賞した。


その圧倒的な迫力と重厚なカメラワークとドラマと三船敏郎、仲代達也といった俳優の力強い演技で一瞬でのめり込む。

黒澤明の映画はまさに男の映画である。

 

 

 

また、今年、61年の時を超えて再び、「七人の侍」が4Kリマスター版として上映され。福岡での上映を楽しみにしている。

映画史上空前の最高傑作の一つとして燦然と輝きゆく「七人の侍」は昭和29年4月26日に公開された。

同年11月3日には黒澤明の盟友本多猪四郎が監督を務めた「ゴジラ」が公開されており、まさに日本映画の黄金期ともいえる時代が昭和29年と言う年であった。

黒澤明の名を全世界に知らしめた「羅生門」(1950年)がヴェネツィア国際映画祭において金獅子賞を受賞したのに続き、同映画祭で銀獅子賞を受賞している。


更に、2013年に「オールタイムベスト100」(米『エンターテイメント・ウィークリー』誌発表)が発表した中で第17位に輝くなど、今なおベスト100に名が躍り出るほど、時代を超え名実ともに日本映画の最高峰と輝いている。


私がこの不滅の作品を初めて見たのは、高校3年の頃であった。


きっかけは6月ごろに母校大阪芸術大学芸術学部映像学科の受験生を対象にした講習に行った際に、教授たちが「黒澤明を見なさい」と一貫して言っていたことにあった。

福岡に帰った私は映画の勉強を本価格的にしていくにあたってレンタルビデオ屋に通うようになり、この年は200本近くの作品を見ている。

その中に、この作品が目に留まり、“教授たちが言っていたから”という理由で借りて見たのが私と黒澤明の出会いであった。

そこから黒澤明に魅せられた私は、赤ひげ、用心棒、椿三十郎、天国と地獄、蜘蛛巣城、隠し砦の三悪人、影武者、乱と見ていき、ますます黒澤明に惹かれていった。


ゴジラの監督を元々目指していた私は、ガンダム、冨野由悠季へと高校時代は移行していった。

ゴジラで「特撮、VFX」といった映像に魅せられ、ガンダムで「人間ドラマ」に魅せられた。

そして、その映画としての結論が黒澤明へとたどり着いたように思う。

“映画たるもの”が全て詰まったのが黒澤明の作品であった。


その中において七人の侍は、上映時間207分、DVDでも全編、後編と分かれた大作である。

しかし、始まりから終わりまで飽きることとなく最後まで夢中になってみることができる。

黒澤明七人の侍などの映画に対してそのキャラクター・人物一人一人ノート一冊に設定を書き上げていく。

 

しかも、生まれてからその時に至るまでの生い立ちまで事細かに書き上げていくというのだ。

そうして生み出された多彩で魅力的な人物がスクリーンを駆け抜けている。

更に画家を志していたことから黒澤明の映画はカメラワーク、映像のダイナミックさ、美しさは随一である。

黒澤明の映画には幅広い教養と奥深い哲学がある。

「僕は映画と言うものが良く分かっていないんです」

これは、1990年に、スティーブン・スピルバーグジョージ・ルーカスの紹介の元、アカデミー名誉会員の称号が贈られた当時80歳の黒澤明があいさつで語った言葉である。


映画と言うものを極限まで突き詰めた映画界の大王者。

黒澤明死して、約20年。

黒澤明の魂は彼が残した30作と言う作品とそれに影響を受けた映画に生き続けている。